正常な男性の胸は胸筋(胸の筋肉)の上に少量の皮下脂肪があり、その上に皮膚があるだけなので膨らみがなく平坦です。
乳首・乳輪のすぐ下には男性でも乳腺組織がありますが、小さいために指でつまんでも良く分からない程度のもので、乳汁(おっぱい)を作る機能はありません。
ところが男性の胸が、まるで女性のバストのように膨れてくる場合があります。このような症状を女性化乳房と言います。
女性化乳房には、太って胸の皮下脂肪が増え女性のバストのように膨らんでしまった『偽性女性化乳房』と、本物の女性のバストと同じように脂肪だけでなく乳腺が発達した『真性女性化乳房』の2タイプがあります。
『偽性女性化乳房』の原因は肥満ですが、『真性女性化乳房』は原因不明のもの、思春期のホルモンバランスの崩れによるもの、医薬品の副作用、ホルモンに関与した病気(内分泌疾患)の症状など、原因は様々です。
手術は静脈麻酔で眠っている間に行います。
わきの下やわき腹を数mm皮膚切開し、まず超音波(ベイザー波)を発生させる細い棒状の超音波プローブを皮下脂肪内に挿入して脂肪を分解します。
次に脂肪を吸引するカニューレ(吸引管)挿入して、超音波で分解された脂肪を吸引します。
脂肪を吸引するにつれて、徐々に胸の膨らみが平坦になっていきます。胸が平らになるまで脂肪を吸引したら手術終了です。
手術後は1ヶ月間、胸に圧迫用のサポーターを付けて過ごし、平らな胸に仕上げます。
手術は静脈麻酔で眠っている間に行います。
乳腺に加えて皮下脂肪も増加している場合には、偽性女性化乳房と同様に脂肪吸引を行います。(不要な場合は省略します)
脂肪を吸引するにつれて、徐々に胸の膨らみが減少します。乳腺は吸引できないので、最終的に乳腺だけ残ります。
引き続き、乳輪に沿って下半周をメスで皮膚切開します。
皮膚切開部分からハサミを挿入して、乳腺周囲をカットし、乳腺をくり抜くように切除します。
くり抜いた後の空洞内に血液や体液が溜まらないようにするため、ドレーン(排液管)を挿入します。
ドレーンは2日後に除去しますが、それまではガーゼと包帯で、ドレーンを除去した後は1ヶ月間、胸に圧迫用のサポーターを付けて過ごし、平らな胸に仕上げます。
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